― 「もしもの時の、もしものために。」 都市ガスとLPガスを自動で切り替える、新しい事業継続のかたち ―

前回の記事では、地震や台風などの災害時に都市ガスが供給停止に陥るリスクと、オフィス・給食センター・避難所・工場・医療福祉施設といった企業・施設が直面する具体的な困りごとについて解説しました。「調理ができない」「お湯が使えない」「空調が止まる」——これらは単なる不便ではなく、事業継続や利用者の健康・安全そのものを揺るがす問題です。

では、都市ガスが止まった場合、実際にどう備えればよいのでしょうか。今回は、その一つの答えとして弊社が提供する防災減災対応システム「BOGETS(ボーゲッツ)」をご紹介します。

BOGETSとは? ― 「もしもの時の、もしものために」生まれたシステム

BOGETSは、備蓄しておいたLPガスから、都市ガスと同じ燃焼特性を持つ「プロパンエアーガス(PAガス)」と電気を同時に作り出す防災減災対応システムです。都市ガスの供給が停止した際に、既存のガス設備をそのまま使い続けられるようにすることを目的として開発されました。

前回の記事で触れたように、都市ガスの供給停止は復旧までに数日〜1か月単位の時間を要することが過去の災害でも繰り返し起きています。その「空白期間」を、施設側が自前でしのぐための備えとして位置づけられているのがBOGETSです。

BOGETSの仕組み ― 都市ガスからLPガスへ、自動で切り替わる

BOGETSの中核を担うのが、LPガスをプロパンエアーガス(PAガス)に変換する装置「New PA」です。この仕組みにより、都市ガスの供給が止まっても、備蓄しているLPガスを使って都市ガスと同等の燃焼特性を持つガスを作り出し、既存のガス設備をそのまま稼働させ続けることができます。

  • 都市ガス停止を検知すると自動でLPガスへ切り替え
    人手を介さずに切り替えが行われるため、災害発生直後の混乱した状況でも、担当者が付きっきりで対応する必要がありません。
  • ガスと電気を同時に供給可能
    災害時はガスだけでなく電気も同時に不安定になるケースが多く、両方を賄えることは大きな安心材料になります。
  • 既存の都市ガス設備に追加する形で導入可能
    配管や機器を丸ごと入れ替える必要がなく、施設の運用に大きな変更を加えずにエネルギーの多重化を図れます。
  • タッチパネル式の操作系統で、専門知識がなくても対応可能
    音声案内とイラスト解説が搭載されており、表示されるガイダンスに沿ってバルブ操作とタッチパネル操作を行うだけでガスを復旧できる設計になっています。災害時は施設の担当者が必ずしもガスの専門知識を持っているとは限らないため、この「誰でも操作できる」という点は実務上非常に重要なポイントです。

なお、BOGETSの中核技術であるNew PAは特許を取得しており(特許第9889910号)、独自性の高い仕組みであることも特徴の一つです。

充実の安全機能

災害時にガスを扱う機器だからこそ、安全性には特に配慮した設計がなされています。

  • 自動ガス漏れ確認機能
    稼働前・稼働中にガス漏れの有無を自動でチェック。
  • 異常圧力遮断機能
    圧力の異常を検知した場合、自動的に供給を遮断し、二次災害を防止。
  • 原料ガス残液量表示機能
    備蓄しているLPガスの残量を可視化し、補充のタイミングを把握しやすくする。
  • 自動パージ機能・配管異常の自動検査
    配管内の異常も自動で検査し、安定した稼働をサポート。

これらの安全機能により、災害という非常時であっても、落ち着いて安全にガスを使い続けられる環境を整えています。

BOGETSが継続利用を支える設備

BOGETSは、以下のようなガス関連設備の稼働継続に対応しています。

  • ガス空調
  • 給湯器・ボイラー
  • お風呂・シャワー室設備
  • 厨房機器(コンロなど)

前回の記事で挙げた「給湯が止まりお風呂に入れない」「厨房機器が止まり食事提供ができない」「空調が止まり体調を崩す」といった困りごとに対し、BOGETSはまさに正面から応える形の備えになっています。熱中症や風邪の予防、そして温かい食事の提供を継続できることは、特に高齢者・患者・避難者など、体調変化に配慮が必要な方々が多く集まる施設にとって大きな意味を持ちます。

施設の規模・用途に応じた3つのラインアップ

BOGETSの中核設備「New PA」は、施設の規模や用途に応じて3つのタイプが用意されています。
前回の記事で紹介した「困りごとが起きやすい施設」と、そのまま対応しているのが特徴です。

8㎥/hタイプ(ガス能力139.6kW)

主な対象:公民館の空調、オフィス
地域の防災拠点となる公民館や、日常の業務を支えるオフィスの空調用途を想定したモデルです。

16㎥/hタイプ(ガス能力279kW)

主な対象:体育館の空調
避難所として利用されることの多い体育館向けに、より大きな空調負荷に対応できるよう設計されています。

30㎥/hタイプ(ガス能力523kW)

主な対象:給食センター、工場
大規模な厨房設備を持つ給食センターや、ガスを熱源とする生産工程を抱える工場など、大きなガス使用量が必要な現場に対応します。

このように、必要なガス能力に応じて機種を選べるため、「小規模なオフィスには手厚すぎる」「大規模施設には力不足」といったミスマッチを避けやすい設計になっています。

第三者評価に見る信頼性 ― 受賞実績

BOGETSは、外部機関からも技術力・実用性が評価されています。

  • コージェネ大賞2021 優秀賞
  • ジャパンレジリエンスアワード2022

コージェネ(熱と電気を同時に作り出す仕組み)分野、そして防災・レジリエンス分野という2つの異なる観点から評価を受けていることは、BOGETSが単なる非常用設備にとどまらず、平時のエネルギー効率と災害時の強靭性を両立するシステムであることの裏付けと言えるでしょう。

導入の背景に見る、企業のBCPへの意識の高まり

近年、BCP(事業継続計画)の一環として、エネルギー供給のバックアップ体制を整える動きが企業・施設の間で広がっています。特に、都市ガスの供給停止と大規模停電が同時に発生する「複合災害」への備えとして、BOGETSのようなガス・電気を併給できるシステムが検討されるケースが増えてきました。

前回の記事で解説した通り、オフィスでは従業員の就労環境維持、給食センターでは調理業務の継続、避難所となる公共施設では避難者への温かい食事・お湯の提供、工場では生産ラインの維持——それぞれの現場が抱えるリスクは異なりますが、根っこにあるのは「都市ガスという単一のライフラインに依存しすぎている」という共通の課題です。BOGETSは、この依存構造そのものに一つの選択肢を加えるアプローチだと言えます。

こんな施設におすすめ

  • 公民館・地域の防災拠点
    災害時に避難所としての機能を担う施設で、空調・給湯を維持したい
  • オフィス・事業所
    従業員の就労環境を維持し、業務継続への信頼を守りたい
  • 体育館
    避難所として使われる際に、空調による熱中症・低体温症のリスクを抑えたい
  • 給食センター
    災害時こそ高まる「温かい食事」へのニーズに応えたい
  • 工場・製造現場
    生産ラインの停止による納期遅延・機会損失を避けたい
  • 医療・福祉施設
    入浴介助や厨房機器、空調の停止が利用者の健康に直結するため、代替手段を確保しておきたい

BOGETSについてよくある質問

Q. 既存の都市ガス設備を入れ替える必要がありますか?

A. いいえ、既存の都市ガス設備に追加する形で導入できるため、施設の運用に大きな変更を加える必要はありません。

Q. 災害時、誰が操作するのですか?専門知識が必要ですか?

A. タッチパネルに音声案内とイラスト解説が表示され、ガイダンスに沿って操作するだけで復旧できる設計です。切り替え自体は自動で行われるため、常時人が付いている必要もありません。

Q. すべての施設に必要なものですか?

A. BOGETSはすべての施設に一律で必要というものではありません。施設の規模や設備構成、運用方針によって導入の必要性や適用範囲は異なります。「都市ガスが止まったらどうなるか」を考えるきっかけとして、選択肢の一つとして知っておいていただくことをおすすめします。

まとめ ― 「もしも」に備えることが、日常を守ることにつながる

都市ガスの供給停止は、決して起こらないとは言い切れないリスクです。そしてその影響は、家庭だけでなくオフィス、給食センター、避難所、工場、医療福祉施設など、企業・施設の事業継続や利用者の健康・安全にまで及びます。

BOGETSは、そうした「もしも」の場面において、既存の都市ガス設備を活かしながらガスと電気を確保し続けるための一つの手段です。導入の要否や適用範囲は、施設ごとのエネルギー使用状況や非常時の対応体制を踏まえて検討する必要がありますが、まずは「自分たちの施設が止まったらどうなるか」を考えてみること自体が、BCPを一歩前に進める第一歩になります。

BOGETSについて詳しく知りたい、自施設に合うかどうか相談したいという方は、お気軽に弊社までお問い合わせください。


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現場ごとの設備状況・想定リスク・脆弱ポイントを定量的に評価し、

対策の優先順位を明確にすることが不可欠です。
当社では、防災設備機器の専門知識と

技術基盤をもとに、
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を含めたコンサルティングを実施しています。

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